WFPエッセイコンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
全国から9,896通もの作品が寄せられ、厳正な審査の結果、入選7作品が決定しました。
なお、本コンテストでは、応募1作品につき給食1食分の30円が、特別協賛企業のご協力により国連WFP協会へ寄付されます。よって、寄付額は296,880円となり、WFPの学校給食プログラムを通しておよそ1万人の子ども達に栄養と希望を届けることができます。皆様のご支援に感謝いたします。
以下にて、竹下景子さんによるWFP賞受賞作品朗読の動画、およびその他の入選作品をご覧ください。

秋田に住んでいるいとこからリンゴが届いた。
また傷リンゴだろうね。前に送られて来たのがまだあるから、玄関に置いておこう。
次の日、まさかの大地震。震度6強。家に入ることはできなかった。運よく玄関先にあったリンゴの箱。
リンゴを車に積んで、祖母の家に逃げた。
「長期戦になるかもしれないから、惜しんで食べよう」
母が言った。
私と弟は二分の一ずつ。母と祖母は四分の一ずつ食べた。
体重が百キロもある父は、母に叱られながら1個。次の日は半分。
原発が爆発して、祖母の家にもいれなくなって、秋田のいとこの家に逃げることになった。
途中でガソリンがなくなった。寒い車の中でリンゴをかじった。泣けてきた。
やっとガソリンが買えたからと言って、おじさんが迎えに来てくれた。
箱の中にはリンゴはなかった。ぎりぎりセーフ。
秋田に着いたら、秋に見た明るいリンゴ園の雰囲気は全然なかった。
40年ぶりと言う豪雪で、枝がバキバキ折れていた。
まるでお化け屋敷。
福島は梅や桃や、早咲きの桜が咲き始まっていたのに、雪雪雪の世界。
白いはずの雪の上に、雪を消すためだと言う黒い墨の粉がまかれていて、無残だった。
リンゴ農家の苦労も知らず、傷リンゴだなんて文句を言っていた私。
そのリンゴに助けられた。私はリンゴの枝を雪から掘り起こす手伝いをした。
ガンガンに凍った雪を掘るのは大変だった。1本でギブアップ。
命を救ってくれたリンゴに感謝。リンゴ農家に感謝。
三國清三さん(オテル・ドゥ・ミクニ オーナーシェフ)
リンゴというテーマで、甘い癒しの作品になっています。その中で家族の愛、絆、食べ物の尊さ、農家さんへの感謝の気持ちが、実にシンプルに深く表現されています。
最後に、作者の潔さに大変感銘し、満場一致でWFP賞に決まりました。
大変感動いたしました。ありがとうございました。
本田亮さん(環境マンガ家)
小学生部門とは言え、他の部門に負けないくらい質が高かったと思います。
身近な暮らしの中で発見した子供らしい視点があるものが多く、感じたコトを素直に自分の言葉で表現している。
小さなことをきっかけに大きな視点で地球を見ていることに驚きました。
甲乙つけがたい作品が多かったのですが、部門賞に選ばれた作品は、食シーンの度に悩む姿が手に取るようにわかり、また作品タイトルも印象的だったと思います。
小谷真生子さん(キャスター)
被災し、厳しい食糧事情の中、サンドウィッチを作った残りのパンの耳が夕食。胸が痛んだのは、パンの耳にレタスやハムの切れ端がついているかどうかを確認しながらの食事であったこと。わずか数ミリのレタスやハムが付いていることが重要とは。
また、「美味しいもの」のためにスーパーの列に並ぶのではなく、「お腹にたまるようなもの」を選んで買う。
どちらも、「飽食」の国・日本ではまず見られない光景です。
震災での実体験により食糧難の苦しみに共鳴できる高橋さんの本音が吐露されており、具体的な描写が胸に迫ります。
御立尚資さん(株式会社ボストンコンサルティンググループ 日本代表)
気取ったものでも、ゼイタクなものでもなく
何気ない、ごくごく普通のものを、美味しく食べる。それが母子3人の「幸せ」のど真ん中。
日常生活の中にある「食べる」ということの深さを、実感を込めてストレートに伝えてくれる作品です。
食糧支援を通じて届ける「希望」についても考えさせて下さいました。
冨永愛さん
(WFPオフィシャルサポーター兼国連WFP協会顧問)
この作文を読んだ時に、正直驚きました。
文を読んでいて、人参のおいしさがとても良く伝わりますし、食すということに関して自分なりに理解しているんだなと思います。
「私の周りには、沢山のありがとうがあふれている」
この言葉にはぐっとくる物がありました。
これからもその気づきを忘れずにいて欲しいと思います。
知花くららさん
(WFPオフィシャルサポーター)
飢餓という問題を、まさに肌で実感した生の声。その時鈴木さんたちが感じていたことがまるで手に取るように伝わってきて、目頭が熱くなりました。
さらに、震災で困難を生きる人々だけでなく、世界中の飢餓で苦しむ人々に想いをよせるその温かさ、寛さ、優しさ。
苦しみを以て、他の苦しみを知り、他を思うことー誰にでもできることではありません。
私たちに今何ができるのか。改めて考えさせていただきました。声を届けてくださり、ありがとうございました。

(手前右から)本田亮さん、横手仁美 国連WFP協会事務局長、小谷真生子さん

